終戦記念日

今日で終戦60年を迎えました。

先日、TBSで「あのとき原爆投下は止められた」という番組を見ました。とても内容が重かったです。この番組を見て、戦争のこと、忘れちゃいけない、って思いました。

番組のホームページをみたら再放送、DVD化を望む声がすごく多く、私も録画しておけば良かったと思った一人です。

原爆投下に至った経緯や投下の時の再現VTR、被爆者のインタビュー、落とした本人へのインタビュー、この番組は後世の人にも見せるべきだ!と思いました。

落とした本人は「その時の気持ちが知りたいのか!それなら教えてやるよ!任務が成功してほっとしたよ!」って怒り気味に興奮して言ってました。

一番ビックリ&ガッカリしたのが、原爆開発に携わり、B-29に乗って原爆を運び、投下の様子を撮影した博士本人が60年ぶりに日本を訪れたVTRです。
よく来る気になったな~と思いました。

平和記念資料館で、原爆と一緒に落とした計測器を見つけた時には「これだ、これだ、アメーシング!!」となんだかちょっと興奮気味。原爆の模型を見ると「これが完成した時、爆弾に名前を書いたんだよ」なんて言って。被爆者の写真等をみて、最後にスタッフが「罪のない民間人が犠牲になったことについてどう思いますか」と聞くと「罪のない人なんていない。全員戦争に貢献してるんだから」と答えていました。
え~・・・っ。
ちょっと耳を疑う発言でした。

その後、被爆者二人と対談。
すごい。普通会いたくないでしょう。
被爆したオジさんは「博士に会うまでは自分が冷静でいられるかどうかわからなかった、でも今あなたはとても穏やかなので、私も平静でいられます」と言いました。
二人が被爆の体験を語ると博士は「こういうことがおこらないようになればいい」みたいなことを言ったので、オジさんも「私も同感です」と、一瞬理解し合えたかのように見えましたが、オジさんが「もし悪かったと思うなら犠牲になった人に謝罪してほしい」と言うと、通訳が「もしSorryと思うなら」まで言ったところで「No Sorry.No Sorry」 とさえぎり、「謝って欲しい」と謝罪と求めると博士は「No アポロジャイズ。He should アポロジャイズ」と言いました!
何なんだよ、この博士!!
「私を非難するなら日本兵を非難しろ」「Don't forget peal harborという言葉がある。」「私もパールハーバーで友達をたくさん失ったんだ」「あなたがたは被爆しても生きているんだからラッキーだと思った方が良い」と言いました。
被爆者に対してよくそんなことが言えるもんだと思いました!
対談したオバさんは「私らの気持ちが分かってもらえなくて悔しい」といって泣いていました。

そして平和記念公園にある原爆の火はこの世界から核兵器がなくなるまで燃え続ける、という話を聞くと博士は「その前にガス欠になる」と言いました!
すごい皮肉!!ムカつく!!
そんなこと言わなくていいのに!!

「朝鮮も核兵器をもってるし、この世から核兵器がなくなることなんてありえない。無駄だ」と。確かにそうかもしれないけど、核廃絶を望む気持ちも分からないのか!

VTRが終って筑紫哲也に戻ると、こういう見方をする人はこの博士だけではない、と言っていました。日本人も南京虐殺なんかもしているし、どこからが被害者でどこからが加害者というのは難しい問題だと。
確かにそうだなぁ~と思いました。

私がNZにいた時に中国人の子に南京虐殺のことを責められた時、それは戦争だから仕方ないよ、ナチスだってひどいことしてるし、日本は原爆落とされたんだよ、と自分を正当化してしまいました。
日本軍はナチスよりひどい!というので、ナチスの方がひどいよ!と言い返し、靖国参拝を批判された時、、国のために戦った人が眠っているんだから参拝して当たり前と言い返しました。
収拾がつかないので「この話はもうやめよう!」終わりにしましたが、そのときの中国人の子の気持ちは、博士の発言を聞いた私の気持ちと一緒だったんだろうなぁ思いました。
その件については謝んなきゃいけないな~、と思いました。

私はこの番組の博士のVTRを見て、すごい悔しくて、日本人として初めてアメリカ人を憎いと思ってしまいました。白人に憧れたり英語を勉強してる自分を恥ずかしいと思いました。この日ばかりは英語なんか勉強するもんか!と思いました。

やっぱ戦争のことを考えると立場が敵国なので仕方ないです。

今でもアメリカ人は57%の人が原爆投下は正しい判断だった、と原爆投下を支持しているそうです。
戦争で勝つには相手を殺すしかないので、そのためには原爆も止むを得なかったというか。しかし被爆者は悲惨です。

NZではアンザックディなんてあるけど、日本もこの体験を忘れないために原爆の記念日とか作った方がいいのにと思ったら、8月6日は「広島平和記念日」なんですね。
しかし、日本人で原爆投下の日を答えられる人は37%(広島県民に限定すると74%)しかいないそうです。私も現に覚えていません。毎年テレビでやると、そうなのか、って思い出す程度。カレンダーとかに記してもっと浸透させたら良いのに。

それにしてもあの博士、日本に来て被爆者の話を聞いても可哀想と思うより、そっちが先にやったんだから仕返しして当たり前、それより何より自分の開発した原爆の成功に喜び満足してる感じがしました。一体何をしに日本へ来たのか。

この番組はイギリスでも放送されたらしいのですが、それを見た人の感想は「日本は原爆を二発落とされてもまだ戦争を続けようとしていたんだね」だったとか。日本で放送されたものは、むしろ天皇は早く戦争を終結させようと考えていて、原爆
を落とさなくてもまもなく日本は降伏しただろう、という内容だったのに、どういう編集の違いなんでしょう。
タイトルも「あの時原爆投下は止められた」ではなく
「あの時原爆は落とさなければならなかった」だったそうです。

これからも世界が平和であることを願います。

http://www.tbs.co.jp/sengo60sp/